様々な手法が用意されているにもかかわらず、プロジェクトの失敗例がいくらでも存在する。そもそもルーチンワークではなく、新しい何かに挑戦することがプロジェクトであるから、そういう意味で失敗する確率が高いのだ、と言い張ることはできるものの、ちゃんとした手法なりプロセスを採用していても失敗するのは何故なのか。Bright Hub PMによれば、その原因の1つは、バイアスによるものだと、Barry Shore氏の「Project Culture and Systematic Biases in Project Failures」を参照しながら述べている。
どのようなバイアスがありうるのかを知るのがまず第一歩。9種類あるとのこと。
Available Data(限られたデータ):意思決定に十分なデータがないを知りながら、意思決定してしまう。
Conservatism(保守的):プロジェクトの目的や成果物に大きな変更を加える必要が出てきた場合でも、オリジナルの情報を元に先にすすめようとする。
Escalation of Commitment(コミットメント過剰):プロジェクト全体を見直した方がいい場合でも、特定の問題の解決に過剰に時間とコストをかけてしまうこと。
Group Think(グループの総意):ある問題に対してグループ内の全員が同じ考えを持った場合のバイアス。みなが同じ意見だからといって必ずしも正しいとは限らない。
Illusion of Control(錯覚):何か問題があっても、自分達のコントロールの範囲内だと過大評価しまう傾向のこと。「全てはアンダーコントロールだ」とはどこかで聞いた言葉だ。
Overconfidence(自信過剰):言うまでもなく。
The Recency Effect(新近性効果):以前のデータを無視して、直近のデータだけを見て意思決定してしまうこと。
Selective Perception(偏った見方):自分が持っている枠組みで、物事を見てしまう傾向があるため、その枠組みからはみ出す、矛盾する事実を無視してしまうというもの。
Sunk Cost(埋没費用):回収不能な投資費用を、意思決定の際に考慮してしまうこと。
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