小規模チームでアジャイル開発がうまくいったからといって、より大きなチームでうまくいくとは限らない。というか、大抵あまりうまくいかない。先週開催されたAgile 2012でもアジャイルのスケールアップが大きなトピックだったようだ。Agile 2012のキーノート・スピーカー、スタンフォード大学のマネージメントサイエンス&エンジニアリング科教授Robert Sutton氏が上げたポイントをSD Timesでまとめている。「Agile2012 Keynote: Scaling up excellence with Robert Sutton」
スケールアップしていくには、徐々に、が重要だと。
‘“You just need to make one little change at a time, and it’s not anything you do quickly or instantly just by having a conference or getting a speech from the CEO,” he said.’
「一回の変更は小さくなければならない。会議とか、CEOがスピーチして素早く瞬時にやるようなものではない。」と。
‘Especially critical for all kinds of scaling, Sutton said, is the tradeoff between replication versus localization. “This is about whether or not everything has to be cloned and be exactly the same, or if everything sort of follows from a vague mindset,” he said. Sometimes there are problems with the cloning model, he said. ‘
「スケールアップの類で特に重要なのは、レプリケーションとローカリゼーションのトレードオフだ。『クローン化して完全に同じにするか、あいまいなマインドセットからでてくるものに従うかというもの』で、時として、クローンモデルは問題があると指摘している。」
「Link hot causes to cool solutions.」というのを同氏は提唱している。これは、まず何かに感情的にワクワクさせた後、その感情をありたい方向に導くというもの。早い話がまず「敵」を決めるのだ。例えばウォータフォールモデル。ウォータフォールモデルの様々な問題を取り上げ、共感できたところで、じゃあアジャイルでやってみよう、といった具合だ。
もう1つ提唱しているのが、「Connect and cascade」。つながって、増殖していくというもの。成功例を別の小さいなチームに伝え、それが順々に伝播していくイメージで、一同を一箇所に集めて、ブリーフィングするような形ではダメだということらしい。
Sutton氏のスケールアップに関する7つの原則がこれ。