アプリケーション性能管理ツール(APM)は各社から様々なものが出ている。SD TimesのMichael Azoff氏の記事を見てみよう。
「The diverse market for performance management (多様化する性能管理ツール市場)」
Azoff氏によれば、アプリケーション性能管理ツールは、対象ユーザにより大別できる。
しかしながら、開発と運用の垣根がなくなる傾向にあるため、コードレベルの詳細情報とともに、全体の統計情報を提供することにより、本番前にも本番後にも使えるツールが出てきている。
APMでは、いくつのもの指標をリアルタイムで表示することができるものが多いが、最近は予測分析を行うものが出てきている。APMが様々な「センサー」により膨大な情報を取得し、ビッグデータの要領で分析、予測しようというものだ。この予測分析は新しいため、ツールが、データの全てを使って分析しているのか、それともサンプリングで分析しているのかは注意が必要であると、Azoff氏は指摘している。
エンドユーザのエクスペリエンスをモニタリングするAPMというのもある。サーバ側は問題なくともエンドユーザ的にはダウン状態に見えるという場合もあるからだ。いつでもどこでもシステム状態を確認できるようにということで、システム状態を確認するダッシュボードは、タブレットやスマートフォンでも表示できるというのが必須になってきている。
全カテゴリをカバーするAPMを提供するベンダーがある一方、本番運用のみに特化したAPMなど、ある分野に特化し、今までにない手法で管理できるようにするベンダーも出てきており、市場全体としては多様化の傾向を見せている。
クラウドとの関連でも動きが活発で、APMをSaaSですでに提供しているところや開発中のところがある。現存システムにエージェントを組み込み、管理ツールはパブリッククラウドで動作させるのが一般的。クラウドサービス・プロバイダ向けのAPMというのも新しいジャンル。
クラウド、仮想化、ビッグデータが注目される中、APMもその速い動きに呼応していく必要がある。
最後にAzoff氏がAPM関連で注目している分野は、アプリケーション性能テストと、アプリケーションセキュリティ性能だそうな。特にユーザがタブレットやスマートフォンを使って社内システムにアクセスするようになってきているため、アプリケーションセキュリティ性能が重要となると見る。