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男子バレーからマネージメントを考える

日本男子バレーボールのオリンピック行きがなくなった。ここ4回で3度目らしい。かつてミュンヘンで金メダルをとったころから考えると、明らかな低迷だ。そして早くも新代表監督は中垣内氏との声が出ていると聞く。

以前「女子バレーからマネージメントを学ぶ」を書いたが、今回は男子バレーを題材にマネージメントを考えてみよう。

男子オリンピック最終予選

男子も女子同様、背の高さで負けている。今回オリンピック行きを決めたオーストラリアに比べて、明らかに劣っている。重要な要素の1つで負けているのだがら、そんな中で勝負していくには、他で勝つか、弱点を他の方法でカバーするか、だ。植田監督は積極的に選手交代を行っていたが、その戦術の前に、バレーボールなら、アタック、ブロック、サーブ、レシーブのどれかで優位に立たないと勝てっこない。価格は高いし、故障しやすいし、デザインはイマイチ、しかも他社の製品より大きい、となったら苦戦は必死だ。

アタック、ブロック、サーブ、レシーブ。このうち背が高い方が圧倒的に有利なのはアタックとブロック。なので日本としてはサーブとレシーブで勝負するしかない。しかしこの2点でも強みになっているようには見えなかったので、これではどんな戦術を使っても勝つのは難しい。戦う前から勝負は決まっていたといっても過言ではない。

ビジネスの世界でもスポーツの世界でもビジョンが重要だ。では、そもそも日本はどうやって戦いに勝とうとしていたのだろうか。確か、サーブとレシーブが重要だと言っていたような気がする。これが戦いに勝つためのビジョンだとすると、いきなり破綻していたことになる。

元日本代表監督の故松平康隆氏が、「金メダルは、非常識の延長線上にしかない」と語っていたという。松平康隆氏については、青島健太氏の『「非常識」を追求した松平康隆・元男子バレー監督の思い出』をご参考いただきたいが、松平氏は、背の高さで負けている日本がオリンピックで金メダルを取るには、「非常識」しかないと考え、知恵を絞りに絞り、結果、クイック、時間差、移動攻撃、フライングレシーブなど今ではあたり前となったものを次々に考え出してきたのだ。たしかオリンピック最終予選が始まる直前だったと思うが、テレビで、植田監督が松平氏の言葉を引用し、「今はオリンピックの切符をつかむために非常識が必要。その非常識とは、練習量の多さと、気持ちだ」と選手に語っていた。これを聞いた瞬間、がっくりとした。前半はその通りだが、後半は全く間違っている。彼が語っているのは常識の延長戦だ。これがもしビジョンだとすれば、誤ったビジョンを持っていたことになる。

もう一つ重要なのは、監督を交代させても問題は解決しないかもしれないということだ。植田監督が「プレミアリーグには、山村以外2メートル超えの選手がいないが、豪州は2メートル10センチ台が大勢いる。4年後を目指すには、発掘の面からやっていかないといけない」と語ったとされている。監督は代表選手を選出することはできるが、社会人、学生の中に条件に合致した人間がいなくとも、その中から選ぶしかない。本気で強化しようとするならば、サッカーのように若年層から強化しなければならないし、4年では期間があまりに短い。人材が足らないなら育成から始めなければならないし、監督がどうこうできる範囲を超えている。リオの次ぐらいを睨んで強化を図る必要があるはずだ。

その点でいうと、日本バレーボール協会は本気で取り組み気があるのだろうか。どの企業でもそうだが、トップが本気でやる気を出さない限り、いくら中間管理職が頑張っても成功しない。本気なら、監督交代の話だけでなく、協会の一新が必要だ。

「非常識が必要」は正しいと思う。そのもとで、何をどう非常識とするのか、答えは簡単ではない。日本人の知恵の出しどころだ。