インフィニティソリューションズ株式会社ブログ

強固なスタートアップ・チームを作るには

これまでいくつかのプロジェクト・チームを立ち上げたり、企業のスタートアップも経験してきているが、いずれの場合にもチーム作りは難しい課題だ。しかしながら、いわゆる必勝法がないのと同様、こうすれば必ず成功するチーム作りというのもないはず(○○必勝法と題した本をよく見かけるが、私はこうして成功したという成功話ではあっても、環境やおかれた条件が違うため、全く同じようには出来ないわけで、必勝法にはならないはずだが)。

そうはいうものの、チーム作りに対するアドバイスは何らかの参考にはなる。そんなわけで、BUSINESS 2 COMMUNITYのサイトのこの記事を参考にしてみよう。

How To Build A Solid Startup Team(強固なスタートアップ・チームを作る方法)

著者のJun Loayza氏は、大学のインターンのチームから、コントラクターのチームなど、l今まで8つのスタートアップ・チームを作ってきた経験があり、RewardMeというレストラン向けのソーシャルCRMを提供する会社の共同創設者。
Working Together Teamwork Puzzle Concept
(source: lumaxart, on Flickr)

1. Money cannot be the #1 goal.(お金は第一の目標にできない)

— 著者は2010年に、何よりもお金を稼ぐことを目標としたチームを作ったとのこと。

‘And we hit our goal. 6 months into our company we had closed 2 big client deals and built an online store that generated over $5k in revenue a month for us.

But unfortunately, because my team members were focused on making money now as oppose to growth for the future, they chose to withdraw money to their personal accounts instead of reinvesting the money back into the company. If we had chosen to reinvest the money, there is no doubt in my mind that we could have seen a 10X returnon our initial investment. Instead, we decided to part ways and sell the company prematurely because our team was unaligned from the very beginning.’

「で、我々は目標を達成した。会社設立から半年で2社の大手クライアントとの取引を成功させ、我々に月5000ドルの売り上げをもたらしてくれるオンラインストアを構築した。しかし不幸にも、我々のチームメンバーは将来の成長よりも直近で儲けることに重きを置いていたため、会社に再投資するよりも、個人口座にお金を引き出すことを選んだ。再投資していれば、初期投資の10倍のリターンが見込めることは疑いもないように思えたにもかかわらずだ。代わりに、チームは最初から一枚岩ではなかったため、我々は袂を分かち、はやまって会社を売る決断をしたのだった。」

— 金儲けが第一の目標であったのだがら、その意味ではチームは一枚岩だったのだと思う。違ったのは、チームを作った本人が金儲けを第一の目標にしていたわけではなかったということなのだろう。ビジョンがずれていると、失敗するという例。

2. Skills must compliment(スキルが補完的であること)

‘At my current start-up, the core team consists of a CEO, CPO (chief product officer), and a CMO (chief marketing officer). The team compliments each other very well because the CEO raises funding, the CPO builds the product, and I sell the product.

I’ve seen teams consisting of 3 MBA graduates fail because they lack complimentary skill-sets. Sure they were all very well educated and smart business people, but they ultimately failed because not one could code or design.’

「現在のスタートアップ企業では、コアチームはCEO、CPO(チーフ・プロダクト・オフィサ)、CMO(チーフ・マーケティング・オフィサ)からなっている。チームはお互いにうまく補完し合っている。なぜならCEOは資金を調達すること、CPOは製品を作ること。そして私(筆者注:CMO)は製品を売ることだ。

よく3人のMBAからなるチームが失敗しているのを見かける。なぜならスキルセットの補完性に欠けているからだ。教育レベルが高く、スマートなビジネスマンではあっても、誰もコードを書けたりデザインできないから最後は失敗するのだ。」

— これは賛成。コアチームで補完性があることが重要。アウトソースである程度補えるものの、コアチームに重要なスキルが欠けていると、致命的だ。製品作りを知らないメンバーばかりでコアチームを形成すると、製品作りは人任せになって大抵失敗する。作りのプロばかりだと、どう売っていけばいいのかという、これまた重要な要素が欠けてしまう。

3. Must have industry expertise

‘My first start-up was straight out of college. Our goal was to build a virtual world that makes this world more productive – the anti-Second Life. We had a team consisting of 2 business guys and 6 engineers. We were ready to take over the world!

Unfortunately, none of us had virtual world experience. None of our engineers had ever built something so complex, and our 2 business people (me included) had no gaming experience.

From this experience, I learned that you always need to have someone on the team with experience in the industry. It gives you credibility when raising funding and gives you the head start in the start-up race instead of starting from zero. When building your next company, make sure your team consists of people with experience in the industry you’re going after.’

「私の最初のスタートアップ企業は大学時代のものだった。我々のゴールは世の中をもっと生産的にする仮想世界を作ることだった。アンチ・セカンドライフだ。2人のビジネス担当と6人のエンジニアから構成されたチームだった。世界征服の準備はできた。

不幸にも、誰も仮想世界の経験がなかった。エンジニアの誰も、そんなに複合的なものを作ったことはなく、2人のビジネス担当(1人は私だ)はゲームをしたことがなかった。

この経験から、チームにだれか、業界経験者が常に必要であるということを学んだ。資金調達のときに信用度が増し、ゼロからのスタートではなく、スタートアップ・レースで幸先の良いスタートが切れる。新しい会社を作る際は、狙っている業界の経験者からなるチームを作るべき。」

— こんな話、当たり前のようではあるが、よく知りもしない業界や分野に手をだしてしまうのをよく見かける。一般消費者向けのサービスに特に多く見られる。自分たち自身も一般消費者の一人であるため(これは間違ってはいないが)、自分たちがほしいサービスを作ろうとするパターンだ。自分たちがほしいと思うものは、多くの場合、自分たちだけがほしいものなのだ。一般消費者を代表するつもりなら、他の一般消費者をよく観察し、読み取らねばならないということを忘れがち。

4. You don’t always need to hire the best.(いつもベストな人を雇わねばならないわけではない)

— こんなことを言う人はあまりいない。それは著者も認めている。

‘In start-ups, it’s very important to get the best in the world for your founding team. However, when it comes to your first employees, I found it’s most important to find people that can follow orders and execute.

There is a thing as having too many cooks in the kitchen.

A lead chef needs a right-hand man that can follow the recipes to perfection and get the job done. In start-ups, the founding team needs people who are the best at execution and can get the job done.

When my team and I were selling the first version of our product, I hired someone to walk door-to-door with me and sell to local merchants. At that moment, I didn’t need the best salesman in the world, I needed a guy who would not take no for an answer and keep selling to local merchants no matter how long it took for them to close.

A start-up that executes wins.

The teamis the most important part of the start-up. With a solid, complimentary team that executes, anything is possible.’

「スタートアップでは、創設時に世の中でベストな人をチームに入れることが非常に重要だ。しかし、最初の社員について言えば、命令に従って実行できる人間を見つけることがもっとも重要であると気づいた。

台所にいるコックが多すぎるということがある。

リード・シェフは、完璧にレシピに従い、仕事をこなす右腕が必要だ。スタートアップでは、チーム創設時に実行力にもっとも優れ、仕事を成し遂げられる人が必要だ。

チームと最初のバージョンの製品を販売していた時、私と個別訪問し、地場の小売に販売する人間をやとった。その時、世界でベストな営業マンは必要なかった。ノーといわず、いかに契約までの時間がかかろうと、地場の小売に売り続ける人間が必要だった。

実行できるスタートアップが勝利する。

チームはスタートアップでもっとも重要な部分だ。実行力があり、強固で相互補完的なチームであれば、何でもかなう。」

— これは表現方法と見方の問題であろう。スタートアップではチームも小さく、予算も限られているわけで、その条件下でベストな人材を集めるのは当然。ただし、何が「ベスト」なのか、ベストの定義は何かが重要なのだ。その定義はチームの置かれている状況に大きく依存する。その状況にぴったりはまる人間がベストなのだろう。

— 一方実行力は極めて重要。口先だけでは何も成し遂げられないから。これは改めて肝に銘じる。