インフィニティソリューションズ株式会社ブログ

イノベーションを引き出すためのブレインストーミイングに代わる手法は「議論」

新製品、サービスをはじめとして、何か新しいアイデアをひねりだそうという時、これまでブレインストーミング(あるいはブレスト)が良く使われてきた。集団でアイデアを出し合うことによって、お互いが刺激され、新しい発想が誘発されることを期待するものだ。

ブレインストーミングには4つの原則がある。ウィキベディアによれば、

  1. 判断・結論を出さない(結論厳禁)
  2. 粗野な考えを歓迎する(自由奔放)
  3. 量を重視する(質より量)
  4. アイディアを結合し発展させる(結合改善)

「そんなアイデアはダメだ」という議論はご法度なのだ。ところが最近ブレインストーミングでは、イノベーションを引き出せないとの声が上がっている。むしろ「議論」したほうがイノベーションを誘発する、というのだ。むろん何のルールもなしに議論しれば、せっかくひねりだした新しいアイデアが簡単に潰れてしまうので、一定のルールが必要。イノベーションを誘発するための議論はこうすればいい、という内容の記事を発見したので紹介しよう。

Co.Designというなかなか斬新なページデザインのサイトから。著者のDaniel Sobol氏は、Continuumというデザインコンサルタント会社のデザイン・ストラテジスト。

Innovation Is About Arguing, Not Brainstorming. Here’s How To Argue Productively (イノベーションとは議論することであり、ブレインストーミングじゃない。生産的に議論する方法はこれだ!)

Brainstorming

1. NO HIERARCHY (上下関係を持ち込まないこと)

Breaking down hierarchy is critical for deliberative discourse. It’s essential to creating a space where everyone can truly contribute. My first week at Continuum, I joined a three-person team with one senior and one principal strategist. A recent graduate, I was one of the youngest members of the company. During our first session, the principal looked me in the eye and said, “You should know that you’re not doing your job if you don’t disagree with me at least once a day.” He gave me permission to voice my opinion openly, regardless of my seniority. This breakdown of hierarchy creates a space where ideas can be invented– and challenged–without fear.

「論議するには上下関係をぶち壊すことが重要だ。誰もが本当に貢献できる空間を作ることが必須。Continuumで働き始めてから1週間目に、シニア・ストラテジスト、プリンシパル・ストラテジストと3人のチームに参加した。その時私は学校を卒業したばかりで会社で最も若手の一人だった。最初のセッションで、プリンシパルの人は私の目を見てこう言った。「一日に最低一度は私に反対しない限り、あなたは仕事をしていないのだということを覚えておくように。」オープンに意見を言う許可をくれたのだ。序列など無関係に。この上下関係をぶち壊すことにより、アイデアを引き出す空間が出来、恐れなくチャレンジできるのだ。

— 一日一度は反対せよ、ですか。これはいいですね。オープンに議論できない限り、新しいアイデアを思いついても、口にしないからね。

2. SAY “NO, BECAUSE” (「ノー、何故ならば」ということ)

It’s widely evangelized that successful brainstorms rely on acceptance of all ideas and judgment of none. Many refer to the cardinal rule of improv saying “Yes, AND”–for building on others’ ideas. As a former actor, I’m a major proponent of “Yes AND.”

ブレインストーミングを成功させるためには、全てのアイデアを受け入れ、判断してはならないといわれている。多くの人が、「イエス、そして」と結合するルールに言及する。他の人のアイデアに乗っかって広げていくことだ。ブレインストーミングでは私は「イエス、そして」の支持者だ。

But I’m also a fan of “no, BECAUSE.” No is a critical part of our process, but if you’re going to say no, you better be able to say why. Backing up an argument is integral in any deliberative discourse. And that “because” should be grounded in real people other than ourselves.

しかしならが、「ノー、何故ならば」のファンでもある。我々のプロセスの中で、「ノー」は重要な部分だが、ノーといえば、何故を言えないといけない。議論の裏づけはあらゆ論議に必須だ。また「何故ならば」は、自身以外の実際の人々の論拠になっていなければならない。

During ideation, we constantly refer back to people, asking one another if our ideas are solving a real need that people expressed or that we witnessed. This keeps us accountable to something other than our own opinions, and it means we can push back on colleagues’ ideas without getting personal.

思考過程で継続的に人々に言及する。すなわち、我々のアイデアは、人々が表明したか証言している本当のニーズを解決するものかどうかを問うことだ。これにより、我々自身の意見ではなく他の何かに因ることができ、また、仲間のアイデアがごく個人的なものにならないようにすることができる。

— 消費者を対象とする製品やサービスだと、「一消費者として私はこれがいいと思う」というのじゃだめなんだよね。そのためにもあらかじめ他の「人々」を良く観察し、話を聞いたりしないとね。

3. DIVERSE PERSPECTIVES (多彩な見方をすること)

We’ve all heard of T-shaped people and of multidisciplinary teams. This model works for us because deliberative discourse requires a multiplicity of perspectives to shape ideas. We curate teams to create diversity: Walk into a project room and you may find an artist-turned-strategist, a biologist-turned-product designer, and an English professor-turned-innovation guru hashing it out together. True to form, my background is in theater and anthropology.

みんな、T型人間や学際的チームについて聞いたことがあるはず。このモデルは我々にも当てはまる。なぜなら論議には、アイデアを形作るための多彩な見方が必要だからだ。多様性を創出するためにチームを作る。プロジェクト・ルームに入れば、アーティストとして秀でたストラテジスト、生物学に秀でたプロダクト・デザイナ、英語教師として秀でたイノベーションの指導者がごちゃ混ぜになっているのに気づくはず。実は私のバックグラウンドは演劇と人類学だ。

4. FOCUS ON A COMMON GOAL (共通のゴールにフォーカスする)

Deliberative discourse is not just arguing for argument’s sake. Argument is productive for us because everyone knows that we’re working toward a shared goal. We develop a statement of purpose at the outset of each project and post it on the door of our project room. Every day when we walk into the room, we’re entering into a liminal play space–call it a playing field. The statement of purpose establishes the rules: It reminds us that we are working together to move the ball down the field. As much as we may argue and disagree, anything that happens in the room counts toward our shared goal. This enables us to argue and discuss without hurting one another.

論議というのは、議論のために議論することではない。我々にとって議論は生産的である。何故なら、それぞれが共通のゴールに向かって動いていることをみんな知っているからだ。各プロジェクトの初めに、目的を文章にし、プロジェクトルームのドアに貼っている。日々その部屋に入るときは、刺激的遊びのスペースに入っていくようなもの。遊び場と呼んでいる。目的文はルールを確立するもの。ボールを向こうに運ぶために一緒に働いているのであるということを思い出させてくれる。この部屋の中で、精一杯議論し反対し、起こる全てのことが、共通のゴールに向かうことになる。このことにより、お互いに傷つけることなく議論することができるのだ。

5. KEEP IT FUN (楽しくありつづけること)

We work on projects ranging from global banking for the poor to the future of pizza and life-saving medical devices. Our work requires intensity, thoughtfulness, and rigor. But no matter the nature of the project, we keep it fun. It’s rare for an hour to pass without laughter erupting from a project room. Deliberative discourse is a form of play, and for play to yield great ideas, we have to take it seriously.

我々は、貧困者のためのグローバル銀行から、ピザや人命を救う医療装置までのプロジェクトをおこなっている。我々の仕事は、強さ、深慮、厳格さを必要とする。しかし、プロジェクトがどのようなものであろうと、楽しいものにしつづける。プロジェクトルームから1時間以上笑いが起こらないことは珍しい。論議は遊びの1つの形で、遊びから優れたアイデアが生まれるので、真剣に遊ぶのだ。

But we don’t brainstorm. We deliberate.

しかしブレインストームはやらない。論議をする。

— どれもまっとうだ。ただ楽しいものであり続けるには恐らく色々な工夫が必要であろう。楽しんでできるチームであればそんなアイデアがあふれ出てくるはず。逆につまらないと思いながらであれば、アイデアも出てこない。鶏が先か卵が先かの議論になってしまうが、もう少しそのアイデアの一端でも知りえると、もっと参考になるかもしれない。